トミー号 その17

 

ミッション分解 その3

 

ギヤ抜けの原因は十中八九シフトフォークの摩耗と推定していますがまずは外観を眺めてみます。

 

まずはリアハウジング側。こちらは5速のギヤ関係とスピードセンサー&ABS用のギヤのみで今回のギヤ抜けとは無関係だと思われます。

 

裏面はこんな感じ。

 

次にセンターハウジング側。写真右にポツンと1個だけあるギヤはバックギヤです。通常ギヤは2軸で噛み合っていますがバックのみ3軸で噛み合って逆回転になります。

そして見ての通り平歯車です。そのためバック時にはあの『ウィーン』というギヤ鳴りが聞こえてくるという訳です。またバックギヤにはシンクロもありません。

 

裏面はこんな感じ。金色に見えるのがシンクロコーンでそれに覆いかぶさっているように見える部品がシフトフォークになります。

ザックリ説明すると左側のシフトフォークが左に動くと1速、右に動くと2速、右側のシフトフォークが左に動くと3速、右に動くと直結の4速となります。

5速のシフトフォークはこの写真ではセンタープレートの向こう側なので見えませんが5速専用で独立しており兼用されていません。じゃあバックギヤはどうやって入るのかと言うとバックギヤそのものがレバーによってスライドされてギヤが入ります。

 

さてそんなことを考えながら見ていると1ヶ所変なところを発見。

 

それがコレ。ボルトがあと2周くらいしたら外れる位置まで緩んできていました。1速のギヤ抜けはこれが原因だったようです。シフトレバーで軸が動いてもシフトフォークに遊びがあったためギヤが完全に入りきらなかったのでしょう。

※画像をクリックすると動画が見れます。セミの声が非常に煩いです。そんな暑さの中作業しています(笑)。

先述した通りこのシフトフォークで1速と2速を担当しています。そのため1速が抜けるけど2速で発進できるから大丈夫と思っていたトミーさん、ボルトが抜け落ちていたら1速にも2速にも入らず3速発進を余儀なくされていたと思います。

あるいはもし2速に入った状態でボルトが抜けていたら当然その他のギヤには入らないので2速のまま走り続けるしかなかったと思われます。信号などで止まるとエンストしてそれで終了。

最悪抜けたボルトがギヤに噛み込んでいたら・・・。

 

シフトフォークを固定していたボルト。左が正常で右が緩んでいたもの。緩んだ状態でシフトチェンジしていたせいで先端のネジ山がほとんど無くなっていました。

    

 

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このねじを締めつけて元通りに組めばギヤ抜け自体は直っていたと思います。
ただ既にOH用の部品(総額7万円超)を用意しているためOH続行です。

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