ルーフ不動の原因とは
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前回作業してから早1か月以上経過。その間、アキラ号は全く進んでいません。じゃあ2Gエンジンの製作をしていたのか?。いえいえ2Gするくらいならアキラ号を先に仕上げますよ。保管場所も要りますし、いたずらなどに遭ったら嫌ですもんね。 実はちょっとゴタゴタに巻き込まれてこの1か月いい迷惑を被りました。おかげさまで作業どころではありませんでした。でもまあガレージの整理が一気に進んだし、いつものように良い?方向にとらえるしかありません。 さて前回作業時に全てのパーツの単体試験(モーター、センサー、スイッチ類)は終わりました。あと残っているのはルーフコンピューター、ハーネスくらいでしょうか。この写真中央のものがルーフコンピューターです。通常ならTEMSのコンピューターがある場所にあります。ルーフコンピューターには全てのリミットスイッチやセンサーなどの信号が入っています。 |
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ハーネスがどうのこうのというのは考えにくいのでルーフコンピューターの入力と出力を全て調べていきます。修理書をコピーして1個1個チェックしていきます。色々な条件時に抵抗を測ったり電圧を測ったりするのです。 ただ最初に書いていた通り、アキラ君が私が譲ったコンピューターに交換しても動かなかったってことはコンピューターが壊れているとは考えにくいのです。だって私のコンピューターはちゃんと動いていましたから。 考えられるのは ①元々のコンピューターの故障かつ私が譲ったコンピューターも取り外した後になぜか故障している もしくは ②電動ルーフに関係するコネクターやハーネスが何らかの理由で接触不良や断線などを起こしている のいずれか。経験上②は考えにくいです。というのもエアロキャビンに関わらずハーネスそのものに問題があることはほとんどありません。ハーネスに問題がある場合はあとからサブコンを割り込ませたり、分岐用のエレクトロタップなどを噛ませたりしている場合がほとんどなのです。 だからと言って①だとしたら手元にある2個のコンピューターはどちらも故障しているということになります。1JZみたいなコストダウンのコンデンサー内蔵ECUじゃあるまいにそんなことがありますかね?。 ここで一番重要なのはルーフが動かないという状態というのは原因は何にせよコンピューターの入出力に異常が見られるはずだということ。どういうことかというとハーネスが断線している場合でも入出力に異常が見られるはずだということ。 ということは調査する順番としては②から調べるのが正解。ただね、言うは易し行うは難しなんです。だからコンピューターの入出力を調べていき異常が見られる場合にそれに該当するハーネスも一緒に調べていくことにします。 |
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変圧器にテスター2個に配線多数を使って絞り込んでいきます。ルーフコンピューターのコネクターは3個でその中に多数の端子があり、それを1個1個色々な条件で調べていきます。 で、当然故障個所が1か所なら異常箇所が1か所出てくると考えるのですがそうじゃないのです。センサーなどが1か所故障したら色々な条件のもとで複数箇所で異常な入出力が出ます。だから結構厄介なんです。 ちなみに外は雪がちらついています(>_<)。私は暑さには結構強いですが寒さにはめっぽう弱いです。今年の健康診断の結果が出ましたが異常は見られないものの血圧が過去最低の50-80。あまり寒いと血圧がさらに下がってそのまま心臓が止まりそうです(^^;)。 |
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話が脱線しましたが、具体的には異常な入出力が見られる端子はコネクターを抜き、写真のように車体側ハーネスにテスト用の端子を接続します。次にそのハーネスに対応するセンサー類をON/OFFさせて導通の有無を見ていきます。 問題がない場合は車体側ハーネスに異常なしと判断します。そしてそれに対応するコンピューターの入出力端子も限りになく白ということにします(入出力に関しては他のハーネスに異常がある場合でも異常な信号を出すため)。 で、全部調べた結果・・・ ハーネスに異常なし・・・ じゃあ、やっぱりコンピューター?。だけど、どうしても腑に落ちません。この車体側ハーネスの調査ですがアレッ?と思うものが数個ありました。 導通テストの理想は ・導通ありの0Ω ・導通なしの∞Ω でも、これが超微妙。整備書ではある条件のもとで導通があるかないかを調べる項目が多数あるのですが、この導通があるかないかの『判断』が微妙。 もともと電気に疎い私ですが導通があると判断するのは何Ω以下のことをいうのか?。逆に導通が無いと判断するのは何Ω以上のことをいうのか?。 例のスターターカチカチ病もこれにあたります。別にあれは断線しているわけじゃないですよね。何Ω以上ならスターターが回らなくなるくらいに電圧降下が起きるのか?。これと同じような話です。この抵抗値の判断は使用する電圧や流れる電流値によっても違うと思いますが・・・。 最初はスイッチのON/OFFに対してちゃんと反応するし多少抵抗が高くても問題なしと判断していたハーネス数本をもう一度調べることに・・・。 そのうちの1本だけはセンサーのON/OFFで0.3kΩ/∞Ωを示します。他の数本は数十Ω/∞Ωとかです。これって正常?。ちなみにこれらのセンサー単体でのON/OFF試験はいずれも0Ω/∞Ω。 元々私は『コンピューターじゃない』という前提で作業していましたのでこれらの怪しいハーネスをセンサーから直接コンピューターに挿してみました。 すると・・・ |
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見事にルーフが復活♪。 いやあ、もうマジで嬉しかったです。いつもはビービーうるさいブザー音も愛おしい限りで抱きしめたくなりますが、実体がないのでブザー本体をヨシヨシしておきました。夏なら『オイ、ビール持ってこい』みたいな感じですが、寒過ぎて鼻水しか出てきません。 結局ルーフ不作動の原因ですが配線の劣化とみてまず間違いないです。断線ではなく抵抗値の増大だと思います。もしかしたら1本は切れかかっていたのかも知れません。 ちゃんと動くようになったこの状態で一応私が譲ったコンピューターが正常なのか試してみました。当然問題なく動きました。ただここでまた重要なことがあります。コンピューター以外に不具合が起きた状態で正常なコンピューターと入れ替えた場合、すぐにコンピューターがエラーを検出してエラーを保持した状態になってしまいます。 このあと、コンピューター以外の不具合を直して作動させようとしてもエラーを解除しない限りコンピューターは正常に動きません。修理書にありますようにエラーを一旦解除する操作が必要です。 |
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さて、5年ぶりに動くようになったルーフですが、久々に自力で動いてビックリしたのか動いている途中でトノカバーに当たってしまい過負荷で止まってしまいました(^^;)。 |
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早速ワイヤーで調整します。完全に動くことを数回確認したあと劣化したハーネスをきちんと取り替えます。内装剥がしてハーネス引き直してアレコレやっていたら丸々1日かかりました。まあでも結果が出たので万々歳です♪。 |
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おまけ画像その1 アキラ君が電動工具でコンシールドカバーを開閉できるようにしていたモーターを分解してみました。 |
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おまけ画像その2 電動工具のパワーに負けて破損しているプラスチック部品。モーターとギヤを繋ぐ部分がプラスチックとはちょっと頼りないですね。これぐらいのパーツならアルミ材でワンオフできますが壊れないように優しく扱ってください。 |
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おまけ画像その3 先日ABS無しの左ハンドル用ブレーキマスターが届いたので手持ちのブレーキマスターを完全OHしたいと思います。左が輸入したもので右がシリンダー以外全て撤去した私の予備品。 |
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おまけ画像その4 中身は全く同じ♪。 |
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おまけ画像その5 この色の違いは凄いよね(笑)。ちなみに今回もシリンダーおよびタンクにはAISINの刻印入り。写真は無いですが入っていた箱にmade in Japanと書かれていたので逆輸入した感じでしょうか。 |
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おまけ画像その6 そして今回もコネクターだけ再利用して完全OH品の完成。大事に保管しておこう♪。 |
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おまけ画像その7 左:ABS付き用マスターシリンダー完全OH済み 中:ABS無し用マスターシリンダー完全OH済み 右:左ハンドル用の部品剥ぎ取られ済み←ゴミ 共販価格の半額以下で新品同様になるから超お勧め。特にシリンダーの付け根とブースターの隙間からブレーキフルードが垂れた形跡のある人は早くOHした方がいいですよ。ボディーの塗装までやられるから。 |
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エアロキャビンⅡの製作と今回の修理で
ルーフの修理はソコソコ自信が出来ました。
別ページで案内をしようかと思います。
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